はじめに
労働保険(労災保険と雇用保険)は毎年4月1日から翌年3月31日までを一区切りとして申告納付をします。今年の申告期間は、6月1日(金)から7月10日(火)までの間です。そこで、今回は、労働保険の申告納付処理の基礎知識について取り上げます。
保険料の計算方法
労働保険料は企業全体の「年度の賃金総額」に保険料率を乗じて計算します。そして、以下の処理を年度ごとに連続して行うことで申告納付します。
@ 年度の初めに概算払いをし A 年度末を過ぎたら確定精算をする
つまり、年度更新とは「前年度の確定精算」と「新年度の概算計算」を同時に行う行為を指します。通常は概算額と確定額は一致しないため、その差額を翌年度の概算保険料と差し引き調整(充当・還付または追加納付)します。
例)平成23年4月1日に労働保険に加入した企業の場合
条件:飲食業、従業員10名、全員が労災および雇用保険に加入、年間賃金総額見込み3,000万円、
実際の賃金総額2,700万円
@概算払い
3,000万円 ×(労災保険料率3/1,000 + 雇用保険料率15.5/1,000)=555,000円
AH24年4月1日を迎えたら確定精算
2,700万円 × 18.5/1,000 = 499,500円
@-A=55,500円を払い過ぎたため、翌年度の概算保険料から55,500円を差し引いて納付する。 |
計算式から導き出せる、計算ミス防止のポイント
前項で取り上げたように、労働保険料の計算式は賃金総額に保険料率を乗じるシンプルな構造になっています。毎月の給与計算で会社がいくら雇用保険料を天引きしたかに拘わらず単純に計算をします。このことから、計算ミスをする箇所は以下のふたつに大別されることがわかります。
【間違えてしまうポイント】
@ 賃金総額を間違える A 保険料率を間違える
以下に上記@Aの間違いやすいポイントを列挙します。自社で年度更新処理をされている企業様は、ご参考ください。
【 賃金総額を間違える】
- 雇用保険加入者の賃金をすべて算入していない
- 賞与を賃金に算入していない
- アルバイトの賃金を労災の賃金総額に算入していない
- 64歳以上の雇用保険料免除者の賃金を誤って算入している
- 年度途中で雇用保険上の異動(資格取得・喪失)があったにもかかわらず反映させていない
【保険料率を間違える】
- 登録した産業分類が誤っている
(建設業なのに不動産業で登録している、など)
- 法改正による保険料率の変更を反映させていないこ(※)
(※)なお、このたび平成24年4月以降の労働保険料率が改定され、例えば雇用保険料率では一般事業で15.5/1,000から13.5/1,000に下がることになりました。
また、4月から労災保険料率も改正されています。業種毎の保険料率については、当事務所までお尋ねください。 |